泣きたいのだけれど。

泣きたい。
声を上げて、泣き崩れたい。
でも、壁は壊れない。


何がどうってことはなく、
単に、泣きたいだけ。

泣いて泣いて、今の自分を洗濯したい。
何もかも洗い流してしまって、
すっきりと顔を上げて歩きたい。

何も無かったように。
私の中で、波一つ起きなかったように。

ミスった選択肢を取り戻したい。
あの日、話さえしなければ、
あの日、心が揺れなければ、
あの日、幻想に触れようとしなければ、
何も変わらなかったのに。

笑ってしまう程、泣いてしまいたい。