今まで食べた事の無い、美味しい美味しい素敵なお菓子。
一口食べたら、もう夢中。
そうそう口にすることなんて出来ない。
食べる事も見る事さえ出来ない日々を繰り返す。
あの味を思い出しては、溜め息ばかり。
でも、人間よくできたもので、
「慣れ」てくる、その状況に。
忘れたわけではないのだけれど、
食べる事の出来ない日々に順応していく。
でも、再び本物を一口食べるとすべてを忘れる。
我慢出来ていた長い時間を。
想い出だけで満足できた術を。
一粒残らず、一瞬にして自分で消し去ってしまう。
そして、美味しいお菓子に夢中。
この時間が永遠に続く錯覚を見て
恋いこがれる気持ちを抑えきれなくなる。
「もっと、もっと。もっと欲しい。」
そして、また一からやり直し。
衝動を抑え、
気持ちを鎮めて、
錯覚を自覚して、
つらい涙を飲み込んで。
このまま、ずっと食べる事が出来ない方が
私は辛くないんじゃないだろうか。
頭に焼き付いた感覚だけで幸せになる方法を
見つける事が出来る様な気がする。
でも、あの美味しいお菓子を独り占めして
毎日食べる事を心から望む気持ちはどうしようもない。
美味しい美味しいあのお菓子。
ずっとずっと想ってる。
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