2010/09/23

思い出す、ずっと前に知っていた事。

最近、あの人の影響で聴く音楽がある。
どの人も、もう今はいない古い音楽。


若い頃、音楽(バンドかな)に突進してた頃、
好きなアーティストのルーツ巡りで出逢った音楽達。

何もかもが刺激的で、染込んで、部屋にこもって聴き続けてた。
今から思うと、その時一番心に響いてたのは歌だった。
ギターやベースやドラムやハープではなく、歌声。

ソウルやブルースばっかり聴いてた。
男性の体から、押し殺しながらもこぼれてくる様な声。
内臓までもを曝け出すかのような歌声。
かすれてささくれて、消えそうになりながらも
私の体を引き裂くような感覚に浸ってた。

それから、自分が表現する側にまわり、
流されるまま、歌を歌うようになった。
兎に角、歌う事に集中しつづけた最初の頃とは違って、
続けていくと単純に音に興味が移っていった。

必然と聴く音楽は変わっていった。
それは、歌うということとは繋がらない音楽。
声も他の楽器と同じだと感じるようになってた。
私は生の楽器のひとつだと、言葉を使う以外は変わらないと。

その考えは、皆には全否定されていたけれど、
納得は出来なかった、逃げていたのかもしれないけれど。
単に特別扱いが嫌だったのかもしれない。
一緒に作りたい、構成要素として絡みあいたい、
音がこっちにくるのを待つだけなのは、もう、繰り返したくない。
同じ悲しみや、同じ淋しさは味わいたくなかったんだな。。。
あんな辛い思いは二度としたくない。

だけど、新しく知る音楽は本当に素敵なものばかり。
どんなジャンルでも染込んでくるものは沢山あって、
それの何百倍も知らない音楽があって、
色々な景色を見せてくれる、感じさせてくれる。

そんな中、昔聴いていた音楽はすっかり聴かなくなってた。
聴いてた事を忘れていた訳ではないけれど、
もう、すっかり自分の中で消化されてしまったと思い込んでた。

邪な考えが無かった訳ではないけれど、
愛しいあの人が、熱く誠実に伝えてくれる音楽を感じたかった。
少しでも近づきたかった。

それで、聴きなおしてみた。

歌を聴いた。
人の声の温度を感じた。
感情を見た。景色じゃなく、感情。

違う、声は歌は楽器じゃない、温度を持って生きてる。
本人がいなくなっても、生き続けている。

私にはとてもとても出来る事ではないのは分かっているけれど、
感じた事や思い焦がれていた事、体に流れてる真っ赤なものの事を
いっぱい思い出してる。
前に知ってたはずだけれど、今は少し変わった様な気がする大事な事。

また、大事なものをもらった。
どれだけ、もらってるんだろう、形の無いものを。
もらう度に私はあの人に染まっていってる、私はあの人で埋まっていってる、
そして、私の中で埋もれてしまってたものを思い出してる。

目眩がする程、大切な人。
ありがとう、
本当に、あなたに出逢えたという事が
私にとって、かけがえの無い恵みであると思うよ。
だから、このことを忘れないようにして、
自分の欲を満たすだけの事はしないようにしなくちゃね。

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