2009/10/14

人ごみの中

私は人ごみがとても苦手です。
今も昔も。。
きっと、得意な人は居ないと思うんだけど、
気にしない人も多いよね。。。
慣れなのかな、やっぱり。



高校生の頃は、よく人ごみの中、道端に座り込んで、
前を通り過ぎる無関心な人達を、下から眺めてたなぁ。
90%くらいは、目も合わない、私の存在さえ認めない感じ。
残りの8%くらいは、その辺の捨てられたゴミを見る様な目で見下ろしてた。
最後の2%は、子供。ちょうど目線の高さが同じくらいになるから、彼らの視界のど真ん中。小さければ小さい程、興味津々で笑ってくれた。

同じ人ごみの中でも、全く違う景色を見てるんだな、子供って。
座り込んで見えるのは、足、足、足。
ジーンズや、ストッキング、スラックス、革靴、スニーカー、パンプス、ハイヒール。
その次によく見えるのは、道路のシミや、吸い殻、ゴミ。
もちろん、一番良く聞こえるのは人の声ではなく、足音。大勢の不揃いの足音。
それでも、子供達は私とは違う、素敵な物に見えるみたい。
だから、地べたに座り込んだゴミみたいな私に笑いかけるんだろうと思ってた。。
まだ、あの頃は人ごみの中でも、自分でいられたようだなぁ。


どんどん、歳を取っていき、今までに2回、本当に人ごみにいられなかった事がある。


一回目は、何て表現すればいいのか、自分が無くなってしまった時。
これは、どうなんだろう、今でも良く分からないんだけど。。。

前にバンドをしていた時の事なんだけれど、
もう学生ではなかったので、ライブは2ヶ月に3回くらいのペースが最大だったの。
でも、たまたま予定が重なって週に数回くらいになった週が出た時の事。。
何にも出来なくなっちゃったの。斑になんだけど。
一日のうち、数時間は本当に何にも出来ないし、何にも感じない。
歩いていたと思ったら、立ち止まってそのまま。
電車に乗って目的地で降りれなくて、そのまま。
スイッチが、急にoffに入ってしまう感じ。。。
なので、人ごみの中なんて歩けなくなってしまったの。。。
ずっと、誰かと一緒じゃなきゃ生活出来なかった。
offに入った時は、目の前がモノクロになって、別世界にいる様な感じだったかな。。
もちろん、ライブの数が減れば治ってしまったんだけどね。。。
大きな出来事があった訳では無かったのに、なんだったんだろう。。。


2回目は、これもバンドがらみだけど。。。
バンド内の事で、精神的にかなり参ってた時の事。
(その時は自分では分かってなかったんだけどね)
気分転換にって、その時の彼がお祭りに連れ出してくれたの。
大きなお祭りで、沢山の屋台が出ていて、もちろん参道は人だらけ。。。
行くのが嫌とかは全く無かった、むしろ楽しみにしてたぐらい。
お祭りに辿り着くまでは、何を買うとか何を見つけるとか浮き浮きしてた。
ところが、人ごみに入ったとたん、まず、体がおかしくなった。
手が震えて、変な汗が出て、視界がブラーがかかったみたいになった。
すれ違う人の顔だけにぼかしがかかった様に見えて、誰一人顔が見えなかった。
その次に、その体の変調に動揺して、何が起こっているのか理解しようとしているうちに、
怖さしか感じ無くなった。
怖い。
怖い。
怖い。。
言葉にも出来ず、彼の腕にしがみついていると、私が変だという事に気付いてくれて
すぐに人ごみを連れ出してくれた。
その時には、手だけでなく、歯がカタカタいうくらい全身が震えていたらしい。。
(そのあたりは記憶が無い。ただ、怖かった事しか覚えてないんだな。。)
意味も分からず、家に戻った頃には、随分と正気になっていた。。

その事から、自分の状態を自覚し始めて、結局はバンドを私が壊してしまった。
近しい人からは、限界超えてたんだから他に選択肢は無かったでしょう、って慰めてもらったなあ。


今は、苦手なりに普通にやりすごしてると思う。
でも、ぼーっと人ごみに居ると、自分が消えていきそうにはなるけどね。

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