2009/10/10

フェンスの向こう側

私は一人で立っていた。
目の前には、良く見かける青緑色の新しくもなく、古くもないフェンス。


フェンスの向こう側は、青々とした芝生がどこまでもどこまでも続いている。
その他には、透き通った空気と水色の雲一つ無いやさしい空。

私の足下は、土。
乾いていて、風が吹けば砂埃で前が見えなくなりそう。。

フェンスから20mくらい奥の芝生には、大切な友達が5人、笑いながら話してる。
とっても、楽しそう。声は聞こえないけど、大きな口を空けて、話して、笑って。。

中の一人が、私に気付き、大きく手を振ってる。
私は、フェンス越しに小さく手を振りかえす。

友達に手招きをされて、初めて周りを見る。
右を見ても左を見ても、気が遠くなるくらいに続くフェンス。
どうやっても、越えて行けそうにない、みんなの所には。

でも、悲しくも淋しくも無かった。
ずっと、友達を見つめていた。

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