2010/05/13

自分の力。

小学生の頃、プールの時間に、
全員で同じ方向にぐるぐる歩くと、
歩かなくてもぐるぐる流れるプールになった。



生きてるって、そんなもんなのかなって思った。
大きな流れがあって、その中に自分が居るの。
どうあがいても、力一杯逆らっても、
流れを変える事なんて出来ないし、最終的には流れに負けて流されちゃう。
なんなら、疲労した分、勢いよく流されてゆく。

逆らわずに、水の底に足を付けて、
歩いてみても、自分の力だけでなく、
間違いなくその進みには、流れの力が存在してる。
一人では何にも出来てない。

俯瞰で見ると、そんな感じで、答えは
「大きな力に流されてる、それには逆らえない」
なんだよね、きっと。

でも、小学生の頃の流れるプール状態のまっただ中で、
皆が同じ方向に歩いて流れを楽しんでる時に
ひとり逆方向へ歩こうと踏ん張ってみたり、
潜ってみたり、ジャンプしてみたり、立ち止まってみたり、
そんな事をやっている時って、色んなことが楽しかったな。
流されてゆく人の表情や行動、ぶつかっては遠のいてゆく人
遠くに居たと思ったら凄い勢いですれ違っていく友達、
体にあたる水の流れの感触、
ゆるゆると力強く変化する水の表面、
生き物のように動いてゆく光の群れ。
内側から見ると、答えはひとつでは無いのかもしれない。

自分の力なんて、無いようなもんだけれど、
色んなことや場面や時間を、楽しめるようになれれば、
体の中では、違う風景が広がるのかもしれないな。

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