たぶん、中学校2年生の時だったと思う。
衣替えはしていなくて、紺色のセーラー服を着てた。
席替えで運良く窓際の一番後ろの席になった。
すでにその頃からひねくれていて、授業も真剣には受けていなかった。。
(でも、成績は良かったのでたちが悪い)
・・・黒板の前で、おじさんが教科書を見ながら何か言ってるなあ。
・・・こんな事して何になるんやろう。良い点数とって何があるんやろう。
・・・私は何でここに居るんやろう。
とても良い天気で、教室は光でいっぱいでした。
窓の外はもっとまぶしく、真っ白に見える程でした。
何とはなしに、窓の外に目を向けていました、何も見ていなかったのですが。
その当たり前の、くすんだような見慣れた景色の中で、違う物を発見しました。
新芽でした。
何の木かは分からないのですが、新芽が出ていました。
その新芽は、太陽の光を受けて今まで見た事の無いくらい鮮やかで美しい緑色で輝いていました。
そこが教室で授業中なんて、すっかり忘れる程、びっくりして見とれてしまいました。
・・・捨てたもんやないんや。(子憎たらしい奴ですね。。)
随分と目の前が明るくなったような気がしたのを覚えています。
それから、毎日毎日その新芽ばっかり見てました。
鮮やかで美しい緑色を見ていると、自分もきれいになれるような気がしていたのかもしれません。光化学スモッグがかかったような(ふ、古い。今でもあるのかな?)くすんだ見慣れた景色の中で、異質な新芽。
別の世界の物のように見えてました。
ところが、数日経ってしまうと、その美しい新芽は、新芽じゃなくなりました。
周りと同じようにくすんで、馴染んでしまいました。。。
どんどん、鮮やかさは消え、あんなに光り輝いていた緑色は無くなってしまいました。
ただ、その事実があまりにも悲しくて、
それ以来、教室の窓から外は見なくなりました。
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