2009/09/08

しゃぼん玉、飛ばない。

小さな頃(3,4歳くらいかな)、私は雨の日にはしゃぼん玉をして遊んでた。



私の育った家の周りには民家が無かった。
野中の一軒家ではなく、
家の前は、色んな草が生えてる空き地。
空き地の向こうは神社。
空き地に向かって左隣は、屋根付きのガレージ。
空き地に向かって右隣は、お地蔵さん。
その隣は、市営プール。
その隣は、畑。
私の家に向かって左隣は、街工場。
その隣は、田んぼ。
その隣は、畑。
私の家に向かって右隣は、草の生えてない空き地。
その隣は、セーター工場。
って、感じでご近所さんは随分離れていて、
幼なじみも一人居たけど小さな子供の足では遠かった。
なので、いつもひとりぽっちで遊んでた。
それはそれで、楽しめたんだけどね・・・

ひとりで、おままごと。
ひとりで、お絵描き。
ひとりで、しゃぼん玉。。

晴れた日に、しゃぼん玉をすると、みんな連れ立って空に昇っていって、
私の周りには留まってくれず、いつも私だけになってしまう。
やけをおこして捕まえると、割れて誰も居なくなってしまう。。
すぐに、やめてしまった。。。

でも、ある日気づいた。。
濡れた場所に、しゃぼん玉が留まってくれる事を。
空に昇らず、長い間、そばに居てくれる事を。

それで、いつも雨の日に、傘をさしてしゃがみ込んで
しゃぼん玉を地面に向かって吹いてました。
一回吹くと、大小10個くらい出来るので、
それが全部はじけて消えるまで眺めてた。
生まれた時は、虹色で生き生きしているけど、
終わりに近づくと、モノトーンに変化していき、
よわよわしく、薄いガラスみたいになって、音も無く消えていく。
誰も居なくなったら、またもう一回最初から。

見えるものすべてが雨に濡れて、黒く光ったアスファルトの上に、
赤い長靴履いて、赤い傘さして、ずっと下向いてる小さな女の子。

あの時は楽しくて仕方なかった。

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