2010/04/01

春がくる。

いつもの通り道の枝垂桜が、咲きこぼれてる。
数日前の雪が幻覚のよう。

春が、鼻先で完璧な笑顔で立っている。


 花曇り。
何て、強かで重苦しい空。
植物の芽吹く夢に興奮している息づかいや、
我先にと咲き誇ろうとする花々の意識を、
鍋ぶたのように覆い閉じ込めて、なお一層息苦しい。

正しいと信じて疑わない様々な想いが
私の皮膚呼吸まで閉じ込めんばかりに
ねっとりとまとわりつく。

そんな春が私を飲み込もうと笑ってる。
酸欠のぼんやりした思考では、
されるがまま、耐えることしか浮かばない。

春がくる。
狂う事さえ、選ぶことを許さない春がくる。

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