大学生の頃、一緒にバンドをしていた先輩がいた。
随分上の人だったんだけど、珍しく可愛がられてた様に思う。
(人は簡単に変わらない、やっぱり馴染めてなかった、大学でも。)
彼女は、絶対音感を持っていて素敵なキーボードひきだったけど、
自分はドラマーだと言い切っていた。
(小柄な彼女にぴったりな感じのタイトなドラムを叩いてた、それも素敵だったけど)
彼女が最後の学祭の最終日夜遅く、二人で向かい合って飲んでた。
どこでそんなに飲んだのか、ぐでんぐでんになりながら、
まだ、啜る様に日本酒を飲んでた。。。。。
たぶん、今更何を飲んでも同じだろうなぁと思う程、酔っぱらいだった。
いつもは、さらっとしたクールな距離感の人だったんだけれども、
その日は全く違ってた。かなりの近距離だった。
そして、いきなり始まった。。。
近距離から、バケツで極彩色のペンキをぶちまけられた様な気がした。
いつものクールさの裏に隠されていた彼女の熱い熱い気持ち。
・・・お前は続けなアカン!!!
・・・お前が望めば誰とだって繋がっていられるんや!!!
・・・何でその事が分からんのや、何でや!!!
泣きながら、鼻水すすりながら、叫ぶ様に連呼された、目のまん前で。
もちろん、その強烈な思いに、私も泣いてしまった。
ぶちまけっぱなしのまま、 卒業した彼女は
就職のため遠い地へ行ってしまった。
ぶちまけられたペンキは、今でも全部は落ちてない気がする。
私は、彼女に何かを渡せたのだろうか。
その数年後、ふとしたきっかけで連絡をとる機会ができ、
その時も変わらず(しらふだったので)クールだったけど
私の変化を、笑いながらひとつひとつ大切に喜んでくれてた。
そして、
・・・こっちへ来たらええねん。何とでもなるって。
って、言ってくれてた。
その数ヶ月後、彼女は本当に遠くに行ってしまった。
私はその日の朝、連絡しようと思ってた。
また、私の変化を伝えたくって。
笑いながら喜んでくれると思って。
本当に、連絡しようと思ってた。
彼女の事を知らせる電話が来るまで。。。
数えるほどしか居ない、私を真正面から見てくれて
歪な形をしている自分の事を、意識させないでくれた人。
何でなんだろうね。
今でも時々、繋がってるような気がする。
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