2010/03/29

フルフル、オチルオチル。

もう4月というのに、今日は雪が降った。
ほころび始めた蕾は、大丈夫かな。

帰り道、夜の吹雪をぼんやり眺めてると
昔の景色を思い出した。



免許を取って初めてのった高速道路。
2月の始め、当たり前なんだけど考えてなかった。
雪が降ってもおかしくない事。

初めて車で東京へ行く事と、
まだまだ運転に慣れてなかった事で、
ガチガチに緊張してた。
しかも、3人も同乗者が居てた。。。

夜の高速道路。
真っ暗な空から、真っ白い雪が落ちて来た。
100キロ近くのスピードでは、猛吹雪の中みたいだった。

ヘッドライトはほんの鼻先で役目を放棄し、
前を走る車のテールランプは頼りなくぼやけているだけ。
規則正しく通り過ぎていく街頭と、平面のような真っ黒い空と
私に迫って来る数えきれない真っ白いもの。

瞬きも出来ず、アクセルを緩める事も出来ず、
フロントガラスがあるはずなのに、
直撃しそうで、体が勝手に動き出しそうだった。

白い白い無数の雪粒から視線を逸らせなくなり
私は自分が3人を乗せた車のハンドルを握ってる事を
一瞬、忘れてしまった。。。
何の音も、誰の声も聞こえなかった。

もちろん、それは一瞬。
何事も無く、車は走り続けてた。

瞬きとともに戻って来た現実に驚いたのではなく、
一瞬でも、意識が飛んだ事に血の気が引いた。

あれから随分と経って、
本当の吹雪も平気で走れる程、車の運転に慣れたけど
今、考えてもぞっとする。
あの音の無い温度の無い景色は忘れられない。

夜に音も無く落ち続ける雪を眺めていると
自分も一つの雪粒になって、
どこか違う空間に引きづり込まれる様な気がする。
走っていても、歩いていても、立ち止まっていても。

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